福島大学の地域実践特修プログラム「ふくしま未来学」の一環で行われている,原子力災害被災地である福島県浜通り地域を対象とした「協働プロジェクト学修」について報告する。協働プロジェクト学修は福島大学の学類横断型の地域課題解決活動であり,2021 年10 月からスタートした。飯舘村での活動では,農業生産法人や義務教育学校と連携した地域に視点と足を置いた活動を行ってきた。剝ぎ取り土壌においても収益性の高い農業を行うために,アズキ栽培から実装が行われている。既存の栽培作物であるエゴマとマメ科植物であるアズキやヘアリーベッチの輪作体系により,肥料投入量を抑えながら土壌の回復を行い,持続可能な農業経営を目指すという試みである。地域の行政区全体で構成されている農業生産法人であるいいたて結い農園は,大人数で行う農作業をコミュニケーションの場と捉え,農作業がもたらす副次的な効果を重要視している。また,著者らは2022 年度には畑を飛び出し飯舘村立いいたて希望の里学園とも関わりを持つこととなった。いいたて希望の里学園9 年生の授業に参加し,大学生の考えた課題解決法を授業内で示した。また,生徒たちの考えの整理にも継続的に携わり,飯舘村の将来を支える子どもたちの教育にも携わった。
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